雪の日にワイパーを立てない方がいい?理由と注意点を解説

雪の日にワイパーを立てない方がいい?理由と注意点を解説

雪の日にワイパーを立てない方がいい?理由と注意点を解説

雪の日にワイパーを立てない方がいいという話を聞いたことはありますか?ワイパーを立てる理由とは?を基本としつつ、立てるメリットデメリットやワイパー破損のリスクについて正しく理解することが大切です。

この記事では、ワイパーを立てるタイミングや、雪用ワイパーという選択肢もご紹介。

さらに、雪の日にワイパーを立てない方がいい場合の注意点として、ワイパーを立てる際の注意点や、ワイパーがボンネットに隠れる車の操作方法、ワイパーが変形した場合の対処法、そして凍ったワイパーの安全な溶かし方まで詳しく解説します。

この記事を読めば、ご自身の状況に合わせて雪の日にワイパーを立てない方がいいかの判断が的確にできるようになります。

この記事で分かること

  • 雪の日にワイパーを立てるメリットとデメリット
  • ワイパーを立てるべき・立てないべき状況判断
  • ワイパーが凍結した場合の正しい対処法
  • 車種別のワイパー操作と冬用ワイパーの知識
目次

雪の日にワイパーを立てる理由と立てない方がいい理由

  • ワイパーを立てる理由とは?
  • 立てるメリットデメリット
  • ワイパー破損のリスクについて
  • ワイパーを立てるタイミング
  • 雪用ワイパーという選択肢

ワイパーを立てる理由とは?

降雪時に多くの車がワイパーを立てて駐車している光景は、雪国ではおなじみです。これには、大切な愛車を雪によるトラブルから守るための、ちゃんとした理由があります。

ワイパーを立てる最大の理由は、ワイパーゴムがフロントガラスに凍り付いてしまうのを防ぐためです。夜間に降り積もった雪は、日中のわずかな温度上昇で溶け、夜間に再び凍結します。

この時、ワイパーがガラス面に接していると、ゴムとガラスが一体化するように固く凍り付いてしまうのです。

ワイパーを立てる主な目的

  • 凍結防止:ワイパーゴムがガラスに張り付くのを防ぐ。
  • 変形・破損防止:積もった雪の重みでワイパーアームが曲がってしまうのを防ぐ。
  • 雪下ろしの効率化:ワイパーが邪魔にならず、フロントガラスの除雪作業がスムーズになる。
  • 車両の発見:大雪で車が埋もれてしまった際に、ワイパーが目印になる。

これらの理由から、特に降雪が予想される夜間の駐車時には、ワイパーを立てておくことが雪国での基本的な対策とされています。

立てるメリットデメリット

雪の日にワイパーを立てる行為には、メリットだけでなくデメリットも存在します。両方を理解した上で、状況に応じて判断することが重要です。

メリットデメリット
ワイパーゴムの凍結固着を防げる強風時に倒れてガラスを傷つけたり、アームが破損したりする可能性がある
積雪の重みによるアームの変形を防げる屋根からの落雪で折れてしまう危険性がある
フロントガラスの除雪作業が楽になるうっかり立てたまま作動させると故障の原因になる

このように、メリットは主に凍結や積雪による直接的なダメージを防ぐ点にあります。一方で、デメリットは風や落雪といった外的要因による破損リスクが中心です。これらの長所と短所を天秤にかけ、その日の天候や駐車場所によって立てるかどうかを決めるのが賢明です。

ワイパー破損のリスクについて

ワイパーを立てることで、かえって破損のリスクを高めてしまうケースもあります。ワイパーは本来、ガラスに寝かせた状態で最も安定するように設計されており、立てた状態は非常に不安定です。

特に注意すべき2大破損リスク

  1. 強風による破損
    特に風の強い日や吹雪の際にワイパーを立てておくと、風の力で勢いよく倒れてしまうことがあります。その衝撃でワイパーアームが変形したり、最悪の場合はフロントガラスにヒビが入ったりする危険性も。天気予報で強風が予想される場合は、立てるのを避けるべきです。
  2. 落雪による破損
    屋根の下やカーポートに駐車する際は特に注意が必要です。屋根に積もった雪が塊となって滑り落ちてきた場合、立ててあるワイパーに直撃すれば、ひとたまりもありません。雪の重みで簡単に折れてしまうでしょう。

凍結を防ぐつもりが、より高額な修理費用につながる可能性もあるため、駐車する場所の環境をよく確認することが大切です。

ワイパーを立てるタイミング

では、具体的にどのようなタイミングでワイパーを立てるのが最適なのでしょうか。これは、「降雪が予想され、かつ破損リスクが低い状況」を見極めることがポイントになります。

ワイパーを立てるべきタイミング

風が穏やかで、夜間に雪が降り積もることが予想される場合が最も適しています。屋根からの落雪の心配がない、開けた場所に駐車するのであれば、凍結防止のメリットを最大限に活かせます。

ワイパーを立てない方が良いタイミング

天気予報で「強風」や「暴風雪」が伝えられている場合は、立てるべきではありません。また、前述の通り、屋根のすぐ下など、まとまった雪が滑り落ちてくる可能性がある場所に駐車する場合も、立てずに寝かせておいた方が安全です。

迷ったときは、「凍結を解かす手間」と「ワイパーが折れるリスク」を天秤にかけてみましょう。解氷スプレーなどがあれば凍結は対処できますが、折れたワイパーは交換するしかありません。安全策を取るなら、リスクがある日は立てないという判断も賢明です。

雪用ワイパーという選択肢

毎年のように降雪がある地域にお住まいの方や、スキー・スノーボードなどで雪道を走る機会が多い方には、冬のシーズンだけ「雪用ワイパー(スノーブレード)」に交換するという、より積極的な対策もおすすめです。

雪用ワイパーは、通常のワイパーとは構造が異なり、雪や氷に強い設計になっています。

雪用ワイパーの主な特徴

  • 凍結しにくい構造:ワイパーの骨格となる金属フレーム全体が特殊なゴムで覆われており、関節部への雪や氷の侵入を防ぎ、凍結を防ぎます。
  • 低温に強いゴム:マイナス気温でも硬くなりにくい特殊なゴムを採用しており、ガラス面への密着性を保ち、拭き取り性能を維持します。
  • 雪を払いやすい設計:ブレード全体の剛性が高く、重い雪をもしっかりと払い落とすことができます。

雪用ワイパーに交換しておくことで、走行中の視界確保はもちろん、駐車時にワイパーを立てるべきか悩む頻度も減らすことができます。冬の安全運転のための投資として、非常に有効な選択肢です。

雪の日にワイパーを立てない方がいい場合の注意点

  • ワイパーを立てる際の注意点
  • ワイパーがボンネットに隠れる車の操作
  • ワイパーが変形した場合の対処法
  • 凍ったワイパーの安全な溶かし方
  • 雪の日にワイパーを立てない方がいいかの判断

ワイパーを立てる際の注意点

ワイパーを立てるという簡単な作業にも、いくつか注意点があります。誤った操作は思わぬ怪我や車の破損につながるため、正しく行いましょう。

立てる時・戻す時の注意

ワイパーアームは強いバネの力でガラスに押し付けられています。立てる際に指を挟まないように注意してください。また、元に戻す際は、アームから手を離して「バタン!」と倒すのは絶対にやめましょう。

その衝撃でフロントガラスが割れてしまう危険性があります。必ず最後まで手を添えて、ゆっくりとガラス面に戻してください。

駐車場所の確認

前述の通り、強風や落雪のリスクがない場所を選んで駐車することが大前提です。風を遮るものがない開けた場所では強風の影響を受けやすく、屋根や木の真下では落雪の危険があります。状況をよく見て判断することが大切です。

ワイパーがボンネットに隠れる車の操作

ワイパーがボンネットに隠れる車の操作

一部の輸入車や高級車では、デザイン性を高めるため、停止時にワイパーがボンネットの下に格納される「コンシールドワイパー」が採用されています。このタイプの車は、単純に手でワイパーを持ち上げようとしても、ボンネットに当たってしまい立てることができません。

コンシールドワイパーを立てるには、一度ワイパーをメンテナンスのための「サービスポジション」に移動させる必要があります。操作方法は車種によって異なりますが、一般的には以下の手順で行います。

  1. エンジンを停止させる。
  2. エンジン停止後、数十秒以内にワイパースイッチを上(ミスト機能)に数秒間操作する。
  3. ワイパーが作動し、フロントガラスの中間あたりで停止する。
  4. その状態で車から降り、手でワイパーを立てる。

これはあくまで一例です。ご自身の車の正確な操作方法については、必ず車両の取扱説明書を確認してください。誤った操作は故障の原因となります。

ワイパーが変形した場合の対処法

雪の重みや強風、落雪などが原因でワイパーアームやブレードが変形してしまった場合、そのワイパーは絶対に使用しないでください。

曲がったワイパーを無理に動かすと、以下のような二次的なトラブルを引き起こす可能性があります。

  • フロントガラスに深い傷をつける。
  • 正常に雨や雪を拭き取れず、視界が確保できない。
  • ワイパーモーターに過剰な負荷がかかり、モーターが焼き付く。
  • 左右のワイパーが干渉して、両方とも破損する。

ワイパーが変形した場合は、応急処置で直そうとせず、速やかにオートバックスなどのカー用品店や整備工場で点検・交換を依頼しましょう。ワイパーブレードだけの交換で済む場合もあれば、アーム全体の交換が必要になることもあります。

凍ったワイパーの安全な溶かし方

凍ったワイパーの安全な溶かし方

ワイパーを立て忘れてしまい、フロントガラスにガチガチに凍り付いてしまった場合、正しい手順で解氷することが重要です。間違った方法は、車に深刻なダメージを与える可能性があります。

絶対にやってはいけないNG行為

無理やり剥がす:ワイパーゴムがちぎれたり、ワイパーモーターが故障したりする原因になります。
熱湯をかける:凍ったガラスに熱湯をかけると、急激な温度差でガラスが割れる危険性が非常に高いです。絶対にやめましょう。

安全な解氷方法

  1. 車の暖房(デフロスター)を使う:最も安全で確実な方法です。エンジンをかけ、エアコンのスイッチをONにし、吹き出し口をフロントガラスに向ける「デフロスター」モードに設定します。時間はかかりますが、内側からじんわりと氷を溶かしてくれます。
  2. 解氷スプレーを使う:急いでいる場合に非常に有効です。アルコールが主成分で、氷を素早く溶かすことができます。カー用品店などで手軽に入手できるので、冬場は一本常備しておくと安心です。
  3. ぬるま湯(30℃程度)を使う:スプレーがない場合の最終手段です。必ず人肌程度のぬるま湯を使い、かけた後はすぐに水分を拭き取らないと再凍結の原因になります。

雪の日にワイパーを立てない方がいいかの判断

この記事のまとめ

  • ワイパーを立てる一番の理由は凍結固着の防止
  • 積雪の重みによる変形防止や除雪を楽にするメリットもある
  • 一方で強風や屋根からの落雪で破損するリスクも存在する
  • ワイパーを立てるべきかは天候と駐車場所で判断する
  • 風が穏やかで降雪予報がある時は立てるのが基本
  • 強風時や落雪の危険がある場所では立てない方が安全
  • 冬用ワイパー(スノーブレード)への交換も有効な対策
  • コンシールドワイパーはサービスポジションにしないと立てられない
  • 変形したワイパーはガラスを傷つけるので使用しない
  • 凍ったワイパーは暖房か解氷スプレーで溶かす
  • 熱湯をかけるとガラスが割れる危険があるので絶対にNG
  • ワイパーを立てる際は指挟みやガラスへの衝撃に注意
  • 立てるメリットと立てないリスクを天秤にかけることが重要
  • 迷ったときは破損リスクの低い「立てない」選択も賢明
  • 状況に応じた適切な判断が愛車を守る鍵となる
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