エンジンオイルの基礎知識と選び方について解説したいと思います。お任せにしている人には馴染みがないと思いますが、オイルにも様々な種類があります。ぜひ参考にされてください!
目次
エンジンオイルの選び方
- メーカー指定のオイルを選ぶ
- コスパから選ぶ
- 高性能なオイルを選ぶ
エンジンオイルの選び方は正直、オーナー次第という事になります。エンジンオイルには粘度がありご自身の車の状態と合わせて選ぶ事が基本です。
しかし、スポーツカーや外車、特殊車輛に乗っていない限りは『0W20』の粘度を選んでいれば問題ありません。0W20は最近の流行でどの整備工場もこのオイルを使用しています。
ただ車の状態や年式によっても左右されるので、心配な方はプロに相談するのがいいでしょう。
またオイルには化学合成油、部分合成油、鉱物油という種類があります。詳しいメリットデメリットは下記にまとめていますので、参考にされてください。
オイルに興味がない方や面倒だなと思う方は、鉱物油を選ぶのが一番コスパがいいです!たしかに良いオイルを使う方が車にいいのは間違いはありません。
ただ、いいオイルでもオイル交換の頻度が少なく走行距離などを無視した面倒メンテナンスをするよりは、安いオイルでも時期や距離を見極めしっかりとメンテナンスする方が車を長持ちさせる事が出来ます。
安いオイルだから壊れやすい。という事ではありませんのでご心配なく。
化学合成油
エンジンオイルの化学合成油は、合成ベースオイルと添加剤から構成されるオイルです。以下に化学合成油のメリットとデメリットを説明します。
メリット
- 高い耐久性と安定性: 化学合成油は熱や酸化に対して高い耐久性を持ちます。高温環境や高負荷の運転条件下でも効果的な潤滑を提供し、エンジンの寿命を延ばすことができます。
- 低温でのパフォーマンス: 化学合成油は低温下でも優れた流動性を維持します。冷間時のエンジンスタートや低温地域での使用時に、より迅速なエンジン始動と潤滑性能を発揮します。
- 低軽減抵抗: 化学合成油は従来の鉱物油よりも滑りが良く、内部摩擦が少ないため、エンジンの効率を向上させます。これにより燃費の向上やパワーの増加が期待できます。
- 高い清浄性: 化学合成油は鉱物油に比べて不純物や沈殿物の形成が少なく、エンジン内部をより清潔に保ちます。これによりエンジンパフォーマンスの維持やエンジン部品の保護が促進されます。
デメリット
- 高価格: 化学合成油は鉱物油に比べて製造コストが高く、そのため一般的に価格が高くなります。これは、化学合成油の製造プロセスが複雑であるためです。そのため、初期投資や交換時の費用が高くなる場合があります。
- 不必要な性能: 化学合成油の高性能は、通常の運転条件や一般的な乗用車においては必ずしも必要とされない場合があります。一般的な運転条件では、鉱物油でも十分な性能を提供できることが多いため、高価な化学合成油の使用は過剰となる場合があります。
- 環境への影響: 化学合成油の製造には特定の化学プロセスが使用されます。これにより、環境への影響が懸念される場合があります。ただし、多くの化学合成油は廃棄物の再利用やリサイクルが可能な場合があります。
- 車両の適合性: 一部の車両や特定のエンジン設計においては、化学合成油の使用が推奨されない場合があります。一部の古い車両や特殊なエンジン設計では、化学合成油の特性により適切な潤滑やシール効果が得られない可能性があります。
- 不適切な使用による問題: 化学合成油は一般的な運転条件においては優れた性能を発揮しますが、一部の極端な運転条件や高温環境においては、化学変化や劣化が進む可能性があります。適切なタイプとグレードの化学合成油を選択し、メーカーの推奨事項に従って使用することが重要です。
部分合成油
部分合成油は、鉱物油と化学合成油を組み合わせたオイルです。
メリット
- コストパフォーマンス: 部分合成油は、化学合成油よりも製造コストが低く、一般的な鉱物油よりも性能が向上しています。そのため、性能とコストのバランスが取れたオプションとして人気があります。部分合成油は、比較的経済的な選択肢でありながら、高い耐久性と潤滑性能を提供します。
- 優れた耐久性と潤滑性: 部分合成油は、化学合成油の特性を利用しながらも、鉱物油の柔軟性と耐久性を保持しています。これにより、エンジンの保護と潤滑性能の向上が実現されます。部分合成油は高温状態での酸化や劣化を抑制し、エンジンの寿命を延ばす役割を果たします。
- 低温での流動性: 部分合成油は、低温下でも優れた流動性を持ちます。これにより、冷間時のエンジンスタートや低温地域での使用時において、迅速なエンジン始動と適切な潤滑性能を提供します。特に寒冷地での走行や冬季において、エンジンの保護と安定したパフォーマンスを確保します。
- 清浄性と堅牢性: 部分合成油は、鉱物油よりも優れた清浄性を持ちます。エンジン内部の不純物や沈殿物の形成を最小限に抑え、エンジンの清浄さと堅牢性を維持します。これにより、エンジンパフォーマンスの向上や部品の保護が促進されます。
部分合成油は、性能と経済性のバランスを重視するユーザーにとって魅力的な選択肢となります。ただし、車両のメーカーの推奨事項や仕様に基づいて適切な部分合成油を選択することが重要です。
デメリット
- 劣化速度: 部分合成油は、化学合成油よりも劣化しやすい傾向があります。特に高温環境や過酷な運転条件下で使用される場合、化学合成油の特性が低下し、劣化が進む可能性があります。定期的なオイル交換が必要であることに留意する必要があります。
- 長期耐久性の制限: 部分合成油は一般的には鉱物油よりも耐久性が高いですが、化学合成油ほどの耐久性はありません。特に高負荷や高温環境下での長期間の使用においては、劣化が進み、オイルの性能が低下する可能性があります。
- 特定のエンジンに適さない場合がある: 部分合成油は、一部の特定のエンジンや車両に適さない場合があります。特に一部の高性能エンジンや特殊なエンジン設計において、メーカーが推奨するオイルの使用が必要な場合があります。車両メーカーの推奨事項に従って適切なオイルを選択することが重要です。
- 高温パフォーマンスの制約: 部分合成油は、高温でのパフォーマンスにおいて、化学合成油ほど優れていません。長時間の高負荷運転や競技走行など、極端な条件下での使用においては、化学合成油の方がより優れた性能を発揮することがあります。
以上が部分合成油の一般的なデメリットです。ただし、これらのデメリットは一般化した情報であり、具体的なオイルブランドや製品によって異なる場合があります。
鉱物油
メリット
- 低コスト: 鉱物油は一般的に製造コストが比較的低く、他の種類のエンジンオイルに比べて経済的な選択肢となります。特に一般的な乗用車や一般的な運転条件では、鉱物油で十分な性能を発揮することが多いため、コスト効率の良い選択肢となります。
- 汎用性: 鉱物油は多くのエンジンタイプや車両に対して汎用的に使用できます。ほとんどの乗用車や商用車、一般的なエンジン設計において適用されます。また、古い車両やクラシックカーなど、特定のエンジンに適したオイルとしても使用されることがあります。
- 潤滑性: 鉱物油はエンジン内の摩擦を軽減し、潤滑効果を提供します。エンジン内部の摩擦が低減されることにより、部品の摩耗やダメージを軽減し、エンジンの寿命を延ばす役割を果たします。
- 熱安定性: 鉱物油は一般的に熱に対して安定しています。高温状態での劣化が少なく、エンジン内部の高温条件下でも一定の性能を維持します。これにより、エンジンの冷却効果や部品の保護が促進されます。
- 広範な市場供給: 鉱物油は広く市場で入手可能であり、多くのオートパーツ店やガソリンスタンドで販売されています。そのため、一般的なオイル交換やメンテナンス作業の際に手軽に入手できる利便性があります。
デメリット
- 低温特性: 鉱物油は低温下での流動性が劣る場合があります。寒冷地での始動時や冷間時のエンジンパフォーマンスにおいて、鉱物油の流動性の制約が現れることがあります。これにより、エンジンの潤滑性や始動性能が低下する可能性があります。
- 高温耐性: 鉱物油は高温環境下での耐性に制限があります。長時間の高負荷運転や競技走行など、極端な条件下で使用される場合、鉱物油の性能が低下し、劣化が進む可能性があります。その結果、エンジン内部の摩耗や部品の劣化が進む可能性があります。
- 酸化安定性: 鉱物油は化学合成油に比べて酸化安定性が低く、劣化が進みやすい傾向があります。エンジン内部の高温状態や長期間の使用により、鉱物油が酸化し、不純物や沈殿物を生成する可能性があります。これにより、エンジン内部の清浄性が低下し、エンジンの寿命が短くなる場合があります。
- 消費量の増加: 鉱物油は化学合成油に比べて揮発性が高く、エンジン内部での消費量が増加する傾向があります。これにより、定期的なオイルの補充や交換が必要となる可能性があります。
- 環境への影響: 鉱物油は石油由来の製品であり、石油の採掘・精製による環境への影響があります。また、鉱物油の使用後の廃棄物処理も環境に対する負荷となります。