トヨタ86のデメリットを解説!後悔しない維持費と実用性の真実

トヨタ86のデメリットを解説!後悔しない維持費と実用性の真実

トヨタ86に興味があるけれど、実際のところ買って後悔しないか不安になっていませんか。憧れのスポーツカーを手に入れたい気持ちはあるものの、トヨタ86のデメリットや維持費、乗り心地などの現実的なポイントは事前にしっかり押さえておきたいところです。

実用性の低さや後部座席の狭さ、さらには任意保険の高さなど、購入前に知っておくべきポイントは意外とたくさんあります。この記事では、トヨタ86を検討している私たちが本当に知りたいマイナス面や、乗る上で覚悟しておくべき点について、リアルな目線で分かりやすくお伝えします。

  • 運動性能を優先したことで生じる乗り心地や静粛性への影響
  • 狭い後部座席やラゲッジ開口部によるチャイルドシートと積載性の制限
  • 13年経過による重課税や高い任意保険料がもたらす維持費の現実
  • 液体パッキン詰まり等の故障リスクと購入前に必要な心構え
目次

トヨタ86のデメリットと走りの実態

トヨタ86は非常に魅力的なライトウェイトFRスポーツカーですが、実際に運転してみると、スペックだけでは分からないさまざまな課題が見えてきます。ここでは、エンジン性能から乗り心地、日常での視認性まで、走りの実態に隠されたデメリットを詳しく見ていきましょう。

買って後悔しやすいパワーと演出

初代86(ZN6型)に搭載されている2.0L自然吸気エンジン「FA20型」は、カタログ上では200馬力(後期型MTは207馬力)と記載されています。

しかし、実際にシャシーダイナモメーターなどで実測(車輪出力)してみると、150馬力前後まで低下してしまうという現実があるんです。これには「買って後悔したかも」と感じてしまう人も少なくないかもしれませんね。

さらに、自然吸気エンジン特有のトルク特性のため、低速域でのトルクが細く、日常の街乗りではややもっさりした加速感になりがちです。特に中回転域の4,500rpm付近で顕著に発生する「トルクの谷」は、スムーズな加速フィールを大きく損なう要因になっています。

スポーツ走行で高回転まで回せば楽しいのですが、普段使いの扱いやすさを重視する人にとっては、トルク不足を感じる場面が多いかなと思います。また、ターボが付いていないNAエンジンなのにハイオクガソリン指定であることや、街乗りでの実燃費が10km/L程度に留まることも、お財布へのデメリットになります。

もうひとつ、初代モデルの「サウンドクリエイター」という、インテーク側から吸気音を車内に引き込んで走りを盛り上げるシステムについても触れておきます。この音質がちょっと安っぽくて、加速時に「ゲロゲロ」といった不快な中低音として響くことがあるんですよね。

特定のシチュエーションで不自然な演出音が気になり、多くのオーナーが社外パーツやDIYでシステム自体を撤去しているのが現状です。2代目のGR86(ZN8型)ではスピーカーからの疑似音に進化しましたが、これも簡単に車内でON/OFFできず、ディーラーでの設定変更か物理的な配線取り外しが必要なため、ちょっと不便かなと感じます。

注意ポイント:

実測馬力はカタログスペックと乖離していることが多く、中回転域(4,500rpm付近)で加速が一瞬もたつく「トルクの谷」を不満に感じるオーナーは非常に多いです。購入前に一度試乗して、加速フィーリングを確かめておくことをおすすめします。

整備性の悪さとカスタム時の制約

86はスバルが開発した水平対向エンジンを搭載しているため、エンジンルームの左右がギチギチに詰まっています。低重心化という走りへのメリットがある一方で、日常的な整備性はかなり犠牲になっているんです。

例えば、スパークプラグの交換をしようとすると、通常のエンジンと違って横からアプローチしなければならないため、エンジンマウントを浮かせるなどの面倒な作業が必要になります。そのため、整備工場に依頼したときの工賃がどうしても高額になってしまいがちです。

また、カスタム(足回りやホイール選び)の面でも、以下のような86特有の制約が存在します。カスタムを考えている方は事前にチェックしておいた方がいいかも知れません。

86ならではのカスタムのハードル:

  • PCD 100の採用:一般的な国産スポーツカーで主流の「PCD 114.3」ではなく、ハブボルトピッチに「PCD 100」が採用されているため、他車種からのホイール流用や社外ホイールの選択肢がかなり狭いです。
  • ブレーキ干渉問題:強力な社外ブレーキキャリパーや大型ローターを導入すると、純正ホイールの内壁と干渉するため、純正ホイールのまま乗り続けることができなくなります。
  • ストリップダウン仕様:初代の「RC」といったエントリーグレードは、エアコンすら装備されておらず、最初から社外パーツを自分で組み込むことを前提とした割り切った仕様になっています。

狭すぎる後部座席とチャイルドシート

86は乗車定員4名の「2+2」パッケージングとされていますが、後部座席は実質的に大人が快適に座れるようなスペースではありません。

クーペならではの流麗で低いルーフラインを維持するために、頭上も足元も限界まで削られています。ここで、一般的な実用車の代表であるプリウスと、初代86の室内寸法を比較してみましょう。

項目トヨタ 86 (ZN6型)トヨタ プリウス (目安値)寸法差
室内長 (mm)1,8902,110−220
室内高 (mm)1,1251,195−70
室内幅 (mm)1,4801,490−10

※数値はあくまで一般的なカタログ値に基づく目安です。

この極めて狭い後部座席は、小さな子供がいるファミリー層にとってかなりの障壁になります。一応、チャイルドシートを固定するためのISOFIX規格には対応していますが、何しろ「2ドアクーペ」なのでリアドアがありません。

前席を前方に倒して、その極小の隙間から重いチャイルドシートや赤ちゃんを滑り込ませる必要があり、腰を痛めそうになることもあります。

さらに、後部座席はリヤサスペンションのほぼ直上に位置するため、路面からの突き上げがダイレクトに伝わりやすいです。マニュアル車特有の発進時のぐらつきや細かな振動も合わさって、乗っている赤ちゃんや子供が車酔いを起こしやすいという声もあります。乗せる際はこまめな休憩を挟むなどの工夫が必要ですね。

積載量と収納スペースの実用性の限界

キャビン内の小物入れやドリンクホルダーなどの収納スペースは、必要最低限のものしか用意されていません。グローブボックスとセンターコンソールくらいで、スマホや小物をちょっと置いておく場所にも困ることがあります。

一応、後部座席の背もたれをパタンと前に倒せる「一体可倒式リヤシート(トランクスルー)」機能が備わっており、タイヤ4本やゴルフバッグ2個を積載できる空間は作れます。

ただ、トランクの開口部自体がかなり狭いため、高さがあるもの(大きめのスーツケースや家具、段ボール箱など)は物理的に入りません。「思ったより荷物は入るけれど、出し入れがものすごく大変」というのがリアルな実用性の限界かなと思います。

硬すぎる乗り心地と低い運転視界

86の純正足回りは、スポーツ走行でのキビキビしたハンドリングやロール抑制を最優先しているため、かなり引き締まった(=硬い)セッティングになっています。路面の荒れた場所やアスファルトのつなぎ目、マンホールの段差などを通過するときは、車体がピョコピョコと跳ねるような挙動を示します。

助手席の同乗者が「飲み物を飲むことすら難しい」と感じるほどの衝撃がダイレクトに伝わってくるため、デートや長距離ドライブでの快適性を求める人にはちょっと厳しいかもしれません。

また、スポーツカーならではの低いシートポジションは、車との一体感を得られる一方で、日常の運転視界を大きく狭めてしまう原因になります。まず前方視界についてですが、目の前を走るSUVやミニバンなどの車高が高い車の影になり、その先にある信号機や渋滞の状況がまったく見えなくなります。

そのため、前の車との距離感を通常以上に空けておかないと、予期せぬ急ブレーキに対処しづらく、精神的なストレスを感じやすいです。斜め後方の視界も太いCピラーと傾斜したルーフのせいで大きな死角が生まれます。バックカメラがないと枠内にまっすぐ駐車することすら難しいため、駐車時の安全性には十分気をつける必要がありますね。

トヨタ86のデメリットと維持費の現実

トヨタ86を所有する上で、切っても切り離せないのがお金にまつわる問題です。初期の車両価格がこなれてきたからといって安易に手を出すと、予想以上の維持費や特有のトラブルによる出費に驚かされることになります。ここでは、維持費の現実や致命的な故障リスクについて解説します。

液体パッキンとシフトフィールの問題

2代目のGR86(ZN8型)や兄弟車のBRZ(ZD8型)に搭載された「FA24型エンジン」では、オーナーの間で非常に深刻なトラブルが話題となっています。

それは、メーカー出荷時の製造工程でタイミングチェーンカバーなどの接合部に塗布された液体パッキン(ガスケット)が過剰にはみ出し、経年やエンジン内部の熱、振動によってポロポロと剥がれ落ちてオイルパンへ落下してしまうという事象です。

落下した液体パッキンの破片は、オイルを吸い上げるための「オイルストレーナー」の金属製ネット(網)にどんどん蓄積し、これを塞いでしまいます。

ストレーナーが閉塞すると、特にスポーツ走行などで強いG(遠心力)がかかった瞬間にエンジン全体の油圧が急激に低下し、クランクメタルの焼き付きを引き起こします。最悪の場合、エンジン内部が物理的に破損する「エンジンブロー」に直結することもあるんです。

残念ながら、現時点でメーカーによる大規模なリコール対応などは行われていません。予防策としては、マフラーやオイルパンを物理的に外し、ストレーナーの網に詰まったパッキンの破片を手作業で丁寧に取り除くという、高額な工賃のかかる大掛かりな整備をオーナー自らがショップ等に依頼して行う必要があります。

また、マニュアルトランスミッション(MT)車に乗る場合、トランスミッションオイルが温まっていない冬場の朝一番などは、ギヤが極端に入りにくくなる特性があります。

ここで無理に力を入れてシフトノブを押し込もうとすると、トランスミッション内部のシンクロメッシュという機構を傷めてしまう原因になります。そのため、走り出す前にしっかりと暖機運転をするか、オイルが温まるまでは優しく丁寧に変速操作を行うといった繊細な気配りが欠かせません。

13年経過による重課税と維持費の負担

初代のZN6型を長く維持する場合、あるいは安価な初期型の中古車を購入する場合に避けて通れないのが、日本の自動車税制における「経年車への重課(いわゆる13年超増税)」です。

排気量2.0Lの初代86は、通常の自動車税が年額39,500円(2019年9月30日以前登録の場合)ですが、新車登録から13年が経過すると約15%重課され、年額45,400〜45,500円へとアップしてしまいます。

また、車検ごとに支払う自動車重量税についても、86はエコカー減税の対象外で、車両重量1.2トン前後の区分(1.0t超〜1.5t以下)に該当するため、以下のように段階的に増税されます。

登録からの経過年数自動車重量税(2年分)1年あたりの換算額備考
新規登録 〜 13年未満24,600円12,300円標準税額(エコカー減税対象外)
13年経過 〜 18年未満34,200円17,100円約39%の重課・割増
18年経過以降37,800円18,900円約53%の重課・割増

※税額は一般的な目安であり、実際の登録時期や車両仕様によって異なる場合があります。

2012年に発売された初期型のZN6型は、まさにこの13年超えの増税サイクルに突入しつつあります。「本体価格が安いから」と中古で購入した若い世代にとって、こうした税金面での追加負担は地味に効いてくるデメリットと言えますね。

任意保険クラスの高騰と若者の負担

86を維持する上で、任意保険料の高さは多くのオーナー、特に若い世代にとって最大の頭痛の種になります。スポーツカーというキャラクター上、どうしても若年層のドライバー比率が高く、自損事故、山道でのクラッシュといった事故統計データが多くなってしまいがちです。

そのため、保険会社が設定する「型式別料率クラス」が極めて高く(17段階評価中、一部項目でクラス10に設定されるなど)なっています。このため、同じ排気量の実用車と比べても、任意保険料が大幅に高くなります。

任意保険料の具体的な目安:

  • 21歳未満・全年齢補償・フルカバー車両保険あり:年間で約35万円(月額換算で約29,000円)という非常に厳しい金額に達することがあります。
  • 26歳以上・等級上位・ゴールド免許:年齢制限を設け、様々な割引を効かせたとしても、車両保険を付けると年間12万〜17万円程度(月額1万円以上)の出費が一般的です。

※上記金額はあくまで一般的なシミュレーション値であり、加入する保険会社や補償内容、契約者の事故歴などによって大きく変動します。ご加入の際は、必ず各保険会社で見積もりを取得してください。

毎月のローン代(例えば2万円など)に加えて、ハイオクガソリン代(月1万〜2万円)、駐車場代、重課される各種税金、そしてこの高い保険料を加算していくと、月々の維持費は簡単に6万円をオーバーしてしまいます。

「気軽に乗れるスポーツカー」というイメージの裏には、こうしたハードな経済的負担があることを覚悟しておかなければなりません。

ロードスターやBRZとの仕様比較

同じ国産のFRライトウェイトスポーツとして比較されるのが、マツダの「ロードスター(ND型)」です。ロードスターは「2人乗りオープン」に完全に割り切ることで、車重を1トン前後に抑え、1.5Lエンジンでも非常に軽快に曲がる楽しさを追求しています。

一方、86は後部座席を設けた2+2設計のために車重が1.2トンを超えており、純粋な軽快感においてはロードスターに一歩譲る部分があります。ただ、ロードスターはほとんどリクライニングができず車内での仮眠すら不可能なのに対し、86はトランクスルーを使えば多くの荷物を載せられるという強みがあります。

また、共同開発された兄弟車「スバル・BRZ」との間にも、乗り味のセッティングにおいて以下のような違いがあり、人によってはGR86の挙動がデメリットに感じられることがあります。

構造・仕様項目トヨタ GR86 (ZN8型)スバル BRZ (ZD8型)特性の違いと乗り味への影響
フロントナックル鋳鉄(スチール)製アルミニウム製GR86は路面からの情報がダイレクトに伝わる反面、微振動による疲労を感じやすい。
フロントスタビライザーφ18 中実式φ18.3 中空式GR86はロールの初期応答性を高めており、少し過敏・神経質な挙動に感じることがある。
リヤスタビライザー取付サスペンションメンバー直接車体(サブフレーム)支持GR86はリヤを積極的に滑らせて楽しむ特性(テールハッピー)で、雨の日は滑りやすい。
スプリングレート(Fr/Rr)28 N/mm / 39 N/mm30 N/mm / 35 N/mmGR86はリヤのレートが非常に高いため、後部座席付近の突き上げがより硬く感じられます。

GR86はドリフトやキビキビした頭の入りを楽しめるようにお転婆な味付けになっていますが、安定したグリップ走行や上質でマイルドな乗り心地を求める人にとっては、雨の日に滑りやすかったり足回りが硬すぎたりするこの特性が、かえってデメリットに感じられてしまうかもしれません。

トヨタ86のデメリットと購入への覚悟

トヨタ86は、意のままに車を操る楽しさを全身で感じられる稀有なライトウェイトスポーツカーであることは間違いありません。

しかし、その楽しさと引き換えに、日常的な実用性の低さ、ガチガチに硬い乗り心地、想像以上に膨らむ維持費や保険料、そしてエンジン等の特有の構造的なリスクといった、多くのトレードオフを受け入れる必要があります。

こうしたデメリットを「スポーツカーを楽しむための必要経費」として愛せるか、あるいは「DIYやアフターパーツを使って自分好みにコツコツ仕上げていく楽しみ」として前向きに捉えられるかどうかが、買ってから後悔しないための最大の分岐点になります。

もし購入を検討されているのであれば、表面的なカッコよさだけでなく、今回ご紹介したリアルな維持費や構造的な課題、トラブル対策などをあらかじめしっかりと理解し、ご自身のライフスタイルや予算とすり合わせてみてください。

また、整備や維持に関する最終的な判断については、必ず信頼できるディーラーやスポーツカー専門店などのプロに相談しながら進めていくようにしましょう。

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